いつからか平凡というのが諦めの代名詞になった。
派手な人生こそ至上であるような、そんな神話が幅を利かせるようになった。
でも蓋を開けると結局は平凡に生きている人が殆どだ。
そして自分の平凡さに苦しむ人も多くなっている。
自分以外の何者かになろうとして苦しむのだが、そもそも自分以外に自分がなれるはずがない。
平凡に生きるというのは、自分以外の誰かになることを諦めて、自分として生きるということだ。
それは決してかっこ悪い生き方ではない。
どこまでいっても一人の人間に過ぎない自分たちが、一生懸命今を生きる唯一の方法かもしれない。