前回は、働いてないように見える人への報復は、
正当化されるということについて
職場でありそうな事例を取り上げました。
「勝手に怒り散らした同僚がおかしいよね」と
個人の資質の問題としても解釈できますが、
これは多くの人に起こりうる行動特性でもあるようです。
行動経済学の実験でも
似たようなことが立証されています。
お金をちょろまかすことができる状況で、
2つのグループに分かれて実験しました。
1つのグループでは、
お金を配る人が説明の途中で
いきなり何の断りもなく携帯電話で
友人と会話(わずか10秒ほど)をしました。
もう1つのグループではそれをしませんでした。
結果、後者のグループでは半分ほどが返金しましたが、
(それでも半分かよ!?)
前者のグループではほとんどの人が返金しませんでした。
携帯で会話されただけの些細な苛立ちであっても、
人は一定の報復を正当化してしまうようです。
個人の問題としては
囚われず自分を磨きましょうで済みますが、
組織を運営する立場の人としては
人の行動特性として知っておいてもいいと思います。
「いい大人」が報復することは十分に起こり得ます。
そしてそれが顕在化するのが
「あの人は特別扱いを受けている」
と思われてしまう状況を放置することによって
生み出されてしまうのですが、
そのあたりはいつか詳しく書きます。