日本人あるあるかもしれませんが、多くの人が集まる場では、いわゆる「水を差す」ような発言をすることは好まれない空気がある、または勝手にその空気を感じてしまって発言に躊躇することは多いと思います。
(最近はその空気も昔ほど支配的では無い気もしますが)
でも、そういう場だからこそ、空気を読まないようなことを堂々と発言することで救われる人がいるかもしれない、と思ったことがありました。
コロナ前のことですが、子どもが通う小学校で保護者を集めて、生徒たちが催し物をしてくれました。
妻と一緒に参加して楽しい時間を過ごしました。
いろんな出し物をしてくれて、最後に子どもたちが自由に手を挙げて感想を言う時間になりました。
指名制ではなかったので、手を挙げるのは、明るく積極的な子たちが多かったと思います。
「〇〇が楽しかった」「とてもうまくできた」「練習よりうまくできた」とポジティブな発言が続いていました。
ですが、長男だけ「本番より練習の方がよかった」と発言し、周りはちょっと苦笑。
それを聞いて妻が「今の発言で、ほっとした子は多いんちゃうかな?」と言っているのを聞いて、はっとしました。
ポジティブな発言が続いていたから「あれ?自分の感覚の方がおかしいのかな」と思ってすこしふさぎ込んでしまう子がいたかもしれません。
そんな中で長男の発言は少なからず気持ちを楽にしてくれた可能性があるのかな、と思います。
鴻上尚史さんの本でも似たようなエピソードで出てきます。
30人ぐらいの参加者が集まり・・・順番に自己紹介をしていきます。その時、最初の人が、「自分の名前、年齢、出身地」だけを言い、そのまま次の人もその次の人も、同じことを言うと、いつのまにか、全員が「自分の名前、年齢、出身地」だけを言うようになります。・・・たまに、6番目か7番目の勇気のある参加者が、「自分の名前、年齢、出身地」ではなく、「名前、好きな映画、好きな食べ物」を語る時があります。場にはホッとした「空気」が流れます。
「ありままでもいいんだ」と誰かの救いになるのであれば、もしも空気に合ってないと思ったしても素直に気持ちを発言をするのも良いかもしれませんね。