先生と呼ばれる人たちや、上司も含めて、権威ある人たちのこと無自覚に信用していることは無いだろうか?

僕には少なからずそういうところがある。

最近歯医者に通っている。

最初は右奥の欠けた部分の治療のためだったが、お医者さんの言われるがままに他の歯の治療も継続してやっている。

不思議なもので、医者が「ここも治療した方がいい」と言うと「じゃあ、お願いします」と本当に必要かどうか確認せずに頭を下げてしまう。

慎重な人はそんなこと無いのかもしれないが、たぶん僕だけじゃないはずだ。

先日、そんな歯医者さんの言うことにひとつだけ反抗してみた。

虫歯の治療中、麻酔してガリガリ削り終わってまだ口を開けている時、ふと「詰め物はセラミックにしますか?金属にしますか?」と聞かれた。

「?」

僕はなんのことかよく分かって無かったが、「金属はしみることがありますが、セラミックの方がしみなくていいですよ」「セラミックにしますか?」とだけ言われて「ふぁい(はい)」と答えた。

そのまま治療を続けて終わり際に「二週間後詰め物ができあがってきます。次回は55000円持ってきてくださいね」と言われ、「え!?高!」と目ん玉飛び出た。

「そんな金額するなら選ばなかったのに」とか「事前の説明足りないんじゃね?」とかモヤモヤしながら帰ろうとしたが、「一応確認されて選んだから、いまさら変えれないだろうな」「セラミック用の削り方とかしてたら追加費用発生するかもな」「高いから安い方に変えたいって言ったらカッコ悪いな」とか思って言い出せなかった。

でもあまりにモヤモヤするので、思い切って、支払いをするときに「いまから金属に変えられますか?」「金属にするといくらになるんですかね?」と受付の方に聞いてみた(金属は保険適用されて1万未満らしい)。

受付の方からお医者さんに代わってもらい、変更はできるが(良かった!)、金属のデメリットを散々説明されてセラミックを勧められた。

「いやまぁ、品質的にはそうなのだろうが、金額違いすぎるじゃん…」「なんで事前に言ってくれないんだろう…」と、さらにモヤモヤ。

すでに僕の歯には何十年もいくつかの銀歯が入っていて、問題なく生活できているから、「品質的にはセラミックなんでしょうが、金額のこと考えて銀歯にします」と決断して伝えた。

他の患者さんたちが周りにいたからけっこうな勇気が必要だった。

だって「金持ってないから安い方にします」って言ってるようなもので、誰も僕の言うことなんか気にして無いと思いつつも、権威に逆らってちょっとかっこ悪い決断をしたわけで。

お医者さんはそれを聞くと「分かりました」と言って、不機嫌そうにそのまま奥に引っ込んでしまった。

その夜は「やっぱりセラミックにしておいた方が良かったかなぁ」「逆恨みされて、次治療するときにわざと痛くされないかしら…」と変な心配をたくさんして過ごした。

結果的に銀歯が良いのかセラミックが良いのかわからないけど、ひとまず気持ちに素直に従って行動して良かったと思っている。

できれば最初に聞かれたときに聞き返せば良かったのだが、それは権威に盲目的に信頼していたわけで、もっと自分の感覚に素直になれば良かったと反省している。

先生と呼ばれる人たち、会社の上司もそうだ、僕には無自覚に信じちゃってるところがある。

あくまで対等、分からないということは恥でもなんでもない。

自分の感覚に従ってやっていけばいい。


kotetsu

サラリーマンがブログ始めました。 詳しいプロフィールはこちら